稲作

水田の除草と草の種類

農作物全般に言える事ですが、除草は重要な仕事です。水田に生えてくる草は水量により種類が異なります。除草のタイミングをまちがえて雑草に種をつけさせ、翌年その種が発芽して水田が草でおおわれてしまうという事もあります。自然栽培は上手く抑草(よくそう)出来るかにかかっています。畑作は草マルチで抑草しますが水田は①草が小さいうちに除草をする。②水量で抑草する。③稲のアレロパシー(多感物質)で草を生えにくくする。以上が自然栽培の雑草対処法です。

水田に生えていた草

ノビエ

全国に分布し本田にごく普通に発生する。水稲ではメジャーな雑草です。一般的に㎡あたり過密な20本では、移植と同時に発生した場合、減収率で19%と馬鹿にならないので注意が必要。

雑草のヒエ類はC4型光合成を持っています。C4型光合成を持つ植物は2倍の速さで生長し、最適温度は25℃以上と高温条件の為、高温多湿の梅雨時期は早く生長します。また稲の根元にくっついて生長すると除草が困難です。余談ですが雑穀のヒエは水田で栽培する事ができます。

コナギ

北海道南部以南の全国に分布し、ごく普通に発生する。種子は湛水下で良好に発芽し、気温15~16℃で地表下1cm以内の層から出芽し、ハート形の葉身を着ける。窒素吸収が旺盛でイネに大きな雑草害を及ぼし、裸地では1個体7,000粒の種子を生産するため除草は必須。

韓国ではコナギを食べると聞いたことがあります。日本の一部でも食べる事があるそうです。機会がありましたら、コナギ料理を作ってみようとおもいます。

ホタルイ

全国に分布し、ごく普通に発生する。種子は深い休眠性を持ち、冬から春に低温などで覚醒し15℃以上の湛水条件下で発芽する。近年、難防除雑草として分類され、土中での寿命は10~20年と長く、発生を抑制する必要がある。

アゼナ

全国に分布し、ごく普通に発生する。種子繁殖する広葉一年生雑草。種子は湿田条件では5年程度で死滅するが、乾田条件では15年以上生存する。

まとめ

今年は実験の意味もありまして、5月、6月、7月と田植えをずらしています。稲の生長と雑草の生長を観察してみました。

写真右から順に田植えをしています。

7月に田植えした場所は雑草の巣窟になってしまい。4回の除草をしています。5月に田植えをした場所は2回の除草で済み、あとは稲のアレロパシーのちからで抑草を成功させています。雑草の種類は水田の水量によって異なります。そのため水田の高低差があってはいけません。代かきで水平をとり、どの部分でも水の深さが均一になるように気を付けましょう。水稲の水管理が適正の場合、雑草としてコナギとオモダカが生育してきます。

最後に慣行農法の抑草方法を少しだけ触れておきます。農薬を使った抑草方法は除草剤の入った袋を畦から投げ込むだけです。あとは自然と袋が溶け、中の薬剤が水田全体に広がるという仕組みです。

いかがだったでしょうか?失敗から学ぶ事もあれば実験してみたりと農業は奥が深いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!