持続可能な農業を目指している僕が今一番着目しているのが、「炭素循環農法」です。この農法は簡単に言えば森のキノコ菌「糸状菌」とやさいの根を結びつけてやさいの生長を促す農法です。
多湿で死滅してしまう糸状菌
炭素循環農法の弱点は、糸状菌は水に弱いという点です。大量の水にさらされると菌が活動停止状態になってしまいます。そのため炭素循環農法は糸状菌を必要以上に水にさらすことを避けなければなりません。方法としてハウス内で行うか、露地栽培の場合「マルチング」をします。
ビニールハウスでやさいを育てる。
育苗で使用していたビニールハウスを片付けて、ここに炭素循環農法の設備を施すことにしました。比較対象として隣に自然農法の設備を併設します。
まずは片付けから、、、
冬場物置になっていて、なんとかここまで片付けることができました本番はこれからです。
去年の「踏み込み温床」を掘り起こします。さすがに一年では素材は分解しきれず原型が残っています。踏み込み温床は掘り起こしてから堆肥化し、育苗培土として再利用したりします。今回は炭素循環農法の材料として使用します。
素材を選ぶ
炭素循環農法に使う素材は、森から手に入れることができます。ただし、切ったばかりの木はまだ生命力があるため、すぐにつかう事はできません。竹であれば生のまま使う事ができ、木であれば1~2年ほど放置して菌が付くのを待ちます。一輪車に積まれている丸太は去年切り倒したもので、菌が回っているのが見てわかります。今回これを使用します。
材料を詰め込む
先ほど掘り起こした場所に丸太を詰め込んでいきます。これは極端な詰め込みぐあいですが枠幅が2m×70㎝で、長さ1m直径10㎝程度の丸太が4本あれば事足ります。素材が多ければそれだけ長持ちします。イメージ的に薪ストーブに薪をくべる要領で、素材がおおければそれだけ長持ちします。この分量であれば5年~6年ぐらいは維持できそうです。
土を戻して整地する。
狭いビニールハウスなので苦労しましたが、丸太の上に踏み込み温床の土を戻し整地しました。茅やもみ殻、もみ殻燻炭が入っていますので、素材としては良いと思います。
ビニールをかぶせて保湿する。
最後に透明マルチをかぶせて取り敢えず終了です。左側に自然農法をベースにした場所も作成しました。
同じやさいを植えて比較する予定です。
まとめ。
いかがだったでしょうか?炭素循環農法は肥料を全く入れることなく、栄養価の高いやさいを育てることができます。慣行農法や自然農法しか経験のない僕としては、この農法を聞いたとき半信半疑でした。去年露地に作成した畝は今年に入り抜群にやさいが育つようになりました。炭素循環農法はすべての作物を育てることができるわけでは無く、中には相性の悪い作物もあります。ただ農法のひとつとして取り入れるべきだと思っています。