農業

育苗中の高温障害

5月に入りまして、信州でも日中の気温がグッと上昇します。育苗中の苗も温度管理に気を使わなければなりません。寒い→暖かいor暑いになりますので、被覆資材も良く考えなければなりません。夏に向かっての温度変化でやってしまうのが、「高温障害」です。これは何かといいますと、気温が高くなり、野菜が熱にやられてしまう現象で、最悪な場合「葉焼け」をおこし、枯れてしまいます。今回被覆材のミスをしてしまい、何種類かの夏野菜が葉焼けを起こして枯死してしまいました。

この状態が高温障害!

畑から帰ってきて育苗床をのぞいてみたらこんな状態に!大切に育ててきたのにちょっとした判断ミスでこのようになってしまいました。全滅しなかっただけよかったですが、悲しいです。

原因はなにか?

二度と同じことを繰り返さないように原因を探っていきます。

  • ①被覆材
  • ②苗の状態
  • ③土の湿り具合

上記の条件を詳しく分析していきます。

①被覆材は「有孔ポリ」を使用していました。この被覆材は透明マルチに直径2ミリ程度の穴が無数に空いているもので、その穴から空気を逃がす構造になっています。

②苗の状態を観察していくと、本葉が一枚出かかった苗の大半が枯死していることが分かりました。

③土の湿り具合は50%~60%が理想ですが、ポットの見た感じと重さで20%~30%ぐらいだと思います。

まとめ

スイカとトマトは被害が少なかったですが、ナス、ピーマンはほぼ全滅でした。アスパラは葉の先が焼けて棒状に、本葉が出かかった幼い苗はダメでした。この事から夏野菜でも暑さ耐性が高い物とそうで物があり、苗の状態も本葉が2枚以上の物なら生き残る可能性がありそうです。

被覆材の選定ですが、有孔ポリは使わない方が良いと思います。天候が変化して雨になる場合は雨よけとして使えます。「今回日中の雨を想定していた」風通しを良くするために直径10㎝ほどの穴をあけておくのも手としてあるかもしれません。この季節最適な資材は「白の寒冷紗」です。白と黒とがありますが、真夏ではないので白の寒冷紗でよいです。

野菜は芯がやられない限り復活しますが、生長速度が極端に落ちてしまうので、苗へのダメージは極力避けなければなりません。双葉が落ちるだけで生育に大きな差が出てしまいます。双葉を残し「若苗」を定植することを心がけましょう。